夜勤の朝はボケが止まらない
ある日の夜勤の話。
夜勤の時は、夜中のうちに次の日の朝の薬が全部そろっている確認をする。忙しい朝に無い!って探している暇はないから。
明け方7時半ごろ。もうすぐご飯が配膳される時間。
「えっ…..」○○さんの薬がない。
食後薬がまとめてセットされている箱とは別で管理していた薬。塩化ナトリウムの粉薬。そのまま飲むのは酷だからと、ごはんにかけてもらっていた。そんなはずはないと必死に探すけど、一向に見当たらない。こんなこと相談したらまたやばい奴だと思われちゃうと思いながらも、仕方なく先輩に相談し、一緒に探してもらうけど見つからない。
処方はあるし、前日の看護師も飲ませてるし絶対にあるはずなのに見つからない。ついには病棟の夜勤者全員で探すはめに…。一番忙しい時間なのに。
そういう時に限って、粉薬だけでは絶対に飲みたくないと大暴れしてしまうような患者さん。絶対にご飯と一緒に内服させなければという使命がある。
どうしても見つからず、ついに昨日の看護師に電話することに。こんな朝早くから病院から電話がかかってくるなんて、心臓に悪いにもほどがある。でも見つからないから仕方ない。
「今日の朝から錠剤に変更になってなかったっけ?」
この先輩の一言で一気に記憶が蘇ってきた。
そうだ。そういえば、夜中に「この人錠剤に変わったんだ良かったね」と思いながら、薬の確認をして、食後薬の箱に入れたんだった….。
先輩に何度も謝りながら、箱の中を見ると存在感満載の白い大きな粒が7日分セットされている。光り輝いて見えた。
先輩は電話越しに「全然いいよ~、あははは」と笑っていたが、内心(ちゃんと確認しろよ、こんな朝っぱらから電話かけてくんな)と思っていたに違いない。ましてや、確認してた薬。
一緒に勤務していた先輩たちも笑っていたけど、絶対にアホすぎって思ってただろうな。
夜勤ってなんでこんなにボケがとまらないのだろう。
ま、でも見つかったし結果オーライ?
低ナトリウム血症とは
今日の課題は低ナトリウム血症について!
低ナトリウム血症とは、血清Na濃度が135mEq/L未満の状態。
(mEq=メックって読むらしい…..)
〇Naの役割と特徴
①Naは基本的に食塩の形で、経口摂取される。
②Naのほとんどは細動外液に含まれている。
③細胞外液の浸透圧の調整
細胞外液って何?って思ったのは私だけでしょうか。
細胞外液とは、間質と血漿(血管内)のこと。らしい。
〇低ナトリウム血症の病態
➡血中ナトリウム濃度は、体内ナトリウム量/細胞外液量で決まる
低ナトリウム血症となるのは…
①細胞外液量が多すぎる場合→相対的にNaが少ない
原因例=心不全 治療=水分制限+Na制限、利尿剤使用で水分を出す!
②細胞外液量がほぼ正常→細胞外液量が少し多い
原因=抗利尿ホルモン分泌異常症 治療=水分制限で塩分濃度を濃くする
③細胞外液量が減少した場合→水分もNaも低い
原因=下痢や嘔吐による脱水 治療=水分、Na補充
〇低ナトリウム血症の重症度と症状
・125~134mEq/L➡軽症 症状=倦怠感、食欲不振
・115~124mEq/L➡中等度 症状=頭痛、筋のこわばり、悪心
・114mEq/L以下➡重症 症状=嘔吐、全身痙攣、重症度意識障害
⚠️注意!!
細胞外液量が減少した場合に、Naの補充が行われる。その際に急速に投与すると、『浸透圧性脱髄症候群』を引き起こす可能性がある。
浸透圧性脱髄症候群=血中Na濃度が急速に上昇することで、細胞外へ急速に水分が流出する。それに伴い、中枢神経症状(遠藤真慈、構音障害、嚥下障害等)が出現すること。
そうか…だから低ナトリウム血症の患者さんはすぐには帰れないのか。毎食後塩飲んでるだけでまだ退院できないのか~長いなぁなんて呑気なこと考えて仕事してた…日もあった。とりあえず検査データを見るところから始めます。
それでは明日も元気にナイチンゲールしていきましょう!
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